【コンプライアンス不良】

ちょっと前から喉ががらがらするなぁ、と思っていた。今朝になって、鼻が詰まって咳も出る。声もかすれてきた。明らかに風邪だろう。外勤先の内科の先生に風邪薬を処方してもらった。
そんなわけで、わたしのお薬ケースはとんでもなくいっぱいになってしまった。
食前薬が2種類、食後薬が6種類、眠前薬が1種類。飲み忘れないように気をつけてはいるけれど、これだけあれば管理も難しい。そう考えると、わたしの知っているかぎりでは患者さんたちはよくがんばっているなぁ、と思う。外来にもきちんと予定日に来てくれるし、何種類もあるお薬もそこそこきちんと飲んでくれているようだ。
そう思うと、医者のはしくれであるところのわたしが遅刻したり、お薬を決まった量決まった回数飲むことが出来ない、などというのはちょっとばかり言語道断、なのかもしれない。

そういえば。
朝起きたら、しゃぶしゃぶ用のお餅の空き袋が枕元に転がっていた。どうやら、夜中に夢うつつで食べてしまったのだろう…とは思うけれど、いくら薄いとはいえ、生のお餅を食べるなんて、あり得るのか?
それだけ飢えていたのかもしれない。炭水化物に。無意識に補給してくれていると思えば楽か。
それにしても夢遊病みたいでなんとなく気味が悪い。しかも生餅。
溜息が出そうだ。

現代の子どもたちをとりまく現実は厳しい。その中で、自殺、いじめ、罪の意識もなく走る非行や犯罪、無気力・無関心など、底の深いさまざまな問題が起きている。その潜在的な現象として、目標をなくし、自分をなくし、心が壊れてしまう子どもたちが激増している。どの子にもその根はある。どこにでもあるだけに、彼らが発する危険信号も見過ごされがちである。そうした子どもたちの内面を、作文を通して見つめ、彼らの心の動きに応えていく道をさぐる。

表現力の失われつつある子どもたち、表現することすら持たない子どもたち。感情をうまく表現出来ず、画一化された言葉しか遣うことの出来ない子どもたち。まるで私のことのように思える。感情を思い出すには、感情を表現するにはどうしたらいいか、今後の私の課題。この本を読んで、改めてその重要さに気づいた気がする。(2001.11.3)

前と違って、「子供」の側からでなく「親」の側に立ってこういった本を読めるようになった。わたしに子育てなんて出来るのだろうか、という不安。わたしはわたしの子供の心を壊すかもしれない。そうならないためのヒントは少しだけ見つかった。

ひとめあなたに… (角川文庫)

ひとめあなたに… (角川文庫)

著者と同じく、「ゆっくり狂っていく女の子」には私にとっても惹かれる。現実にないとは言えない狂気、だからとても怖い。自分もいつかこんな日がくるかもしれないから。
物語は泣けた。ぎりぎりのところで恋人を愛しているから。気が狂うほどに。(2000.6.4)