【こんな風の日には】

一目見た瞬間から、わたしの心はあなたのことでいっぱいになった。稀にみるルックスのよさ。夢にまで出てくる。熱に浮かされたようにあなたのことを友達に話したりもした。これは恋だ、と確信した。いっそのこときっぱりふられるか、手に入れてしまうかしないと、この気持ちはおさまらない、と思った。いわゆるひとつのひとめぼれ。
誰のことかって?…車のことだ。某外国メーカーの綺麗なフォルムのちょっとエレガントな車。
手が届かないほど高いのであれば諦めもつくが(この台詞、この前も使ったな。)微妙なラインだからこそ、悩んだ。でも、買うなら、今だ。勢いがなければ手に入れることの出来ないものがある。
そんなわけで、車を新調することに決めた。わたしの人生の選択肢には、外車、しかも赤なんていうものはなかったはずなのだけれど。ちなみに大学院に行くなんていう選択肢もなかったっけ。いまいる科に入局するなんて選択肢も、そういえば存在していなかったような気がするし。どう転ぶかわからないからこそ楽しいし、不安でもあるのだけれど。
それにしても、デザインだけで惚れたこの車、実はスペックもけっこういいらしい。車にはまったく興味のないわたしにしては、美味しすぎる選択だったようで。
さ、がんばって働こう。

疲れたー、と連発してしまっている自分に気がつく。あまり誉められたことではないし、まわりは不快に思っているかもしれないけれど、口に出せるだけましなのかもしれないな、とも思う。

夕方、朝刊で見た今日の牡牛座。「評判を落とさないよう気をつけて」…カンファレンス中にぐっすり寝てしまったわたし、きっと評判はがた落ちだろうなぁ。仕事終了後、文字通り、後の祭り。
ちなみに、某誌の1月20日〜3月19日の牡牛座。「大きな買い物は控えましょう」…車、買う予定なんだけどなぁ。「お酒の席での関係悪化が心配」…明日、飲み会なんだけどなぁ。しかも幹事。
…見なかったことにしよう。