【やぶ医者】

そうです、わたしはやぶ医者かもしれません。その症状をあるお薬によってある程度さっさと消退させることは出来ます。でも、その方法をあえて選択せず、「治りにくい原因は何か」を考えたくて、少しスローペースの治療を選んでしまうわたしは、きっとやぶ医者なのでしょう。あなたがここ数年、病院を転々としていることは知っているし、あなたがこの病院に足を運ぶことになったのは、わたしと同じような考え方をしていた先生も数人はいたからでしょう。病院を選ぶ権利はあなたにあるのですから、今後、ここに通いたくないとおっしゃるのであれば、それはあなたの自由です。一緒にやっていける先生を探していけばいいのではないかと思います。

現実にはこんなことを言うことはまずないのだけれど。「患者さんのため」を思えば、原因なんてどうでもいいからさっさと治してくれ、というのも理解出来る。それが「本当に」彼/彼女のためになるのかは、わたしには判断しきれないけれど。
よく晴れた週末の診察室で、ふと思ったこと。
対症療法と原因検索のバランスがもう少しうまくとれるようになりたいな、と。