【かわいくておしゃれな女の子】

件の同期の男の子、実はちょっと気になっていたりする。
と、書いてしまうと余計に気になってしまったりするのかもしれないけれど。
まぁ、同じ時間を過ごすのもあと少しだったりするので、その間はそれなりの密かなどきどき体験などを経験しておくのも悪くはない気がする。
…いいのか?それって。

おそらく、いまの彼氏と暮らしはじめて半年近くになり、お互い空気のような存在になりつつある、ということもあるのだろう。
寂しいわけでも、ものたりないわけでも決してなく。
そういうことって、誰にでも、とは言わないけれど、多数の人にはあることだよね?

治療方針(それは少し、厳しくつらいものだったりする。)を指導医と話し合って決め、患者さんに話しに行く。都合上、わたしひとりで。
迷っていた選択肢はふたつあって、ひとつはもうちょっとマイルドなものだったのだけれど、結局、心配性のわたしのせいで、少し厳しめの結論を持っていった。
彼女の顔を見るまでは、かなりしっかりした決心を持っていたはずだったのだけれど、顔を見た瞬間に、決意が揺らいだ。
でも、一生懸命そのことを説明して、さらに二番目のチョイスについても説明したのだけれど、病室を出たあとで、「本当にこれでよかったのかしら」と、不安になった。
患者さんは納得してくれたし、わたしもそれがベスト・チョイスだと思っている。でも、患者さんの不安そうな顔を見ただけで、決心が揺らぐ自分に対して、少しだけいらつきを覚えたのだった。患者さんに感情移入しすぎない、と決めているのに、いつも振り回されてしまうから。
医局に帰ってもまだぐだぐだと悩んでしまって、各所に相談。みんなの答えは、
「信じたとおりにやってごらん」
だった。
心配ならその心配を最後まで見届けたらいいよ、というのが助言だった。それは患者さんのためでもあるし、君のためでもあるのだから、と。そのうち、どのくらいなら心配しなくていいか、どのくらいなら本当に心配しなくてはいけないか、わかるようになってくるから、と。
それを聞いて、「よし、今回はとことん心配しよう」と思った。申し訳ないけれど、勉強させていただきます、というのも少しだけ、ある。
そして次やその次に生かしていく。それがいまのわたしの仕事なのだ、と思うことにした。

きっと、積み重ねていけば、何かが見えてくるはずだ。

○今日、なによんだ?
骨髄異形成症候群(国立がんセンターホームページ)