【逢引き】

古いけれど、美しい響きを持つ言葉は好きだ。

きちんと付き合っているわけではないのに、彼と一緒にいると、なんとなくだけれど、「いわゆるしあわせ」(しあわせがどんなものなのか、を、わたしはよく知らない。)がほのかに見えてくるような気がするから不思議だ。
でも、別のbad endingをしっかり想定してしまうあたり、「不幸体質」と言われる所以なのかもしれないけれど。

たった30分、彼の部屋でうたたねをするだけで、とても安心した気持ちになれる。

きっと閉塞された状況(誰にも知られてはいけない、とか、時間がない、とかいう場合)においては、情熱はより盛り上がる傾向にあるというのは本当かもしれない。いまのわたしはそのケースに見事にあてはまる。だからこんなに無理をしてでも、彼に情熱を注いでしまうのかもしれない。
でも、いま、君のことが好きなのは間違いようのない事実。

土曜日に仕事に行かなくていい、というのは久しぶりだったのだけれど、結局、家に帰って1日眠り込んでしまった。何もせず、何も食べず、何も飲まず。
溜まった疲労がこれで取れたとは思わないけれど、それなりに充実した1日ではあったのかもしれない。

今日もたくさんの写真を見ました

肺の影
心臓の圧排
脳の浮腫
骨破壊
息をしない胎児


私に巣食う影は写真には写らない

殺人はそよ風のように (光文社文庫)

殺人はそよ風のように (光文社文庫)

国民的(?)アイドルタレント、星沢夏美。熱狂的ファンの一人で18歳になる克彦は、夏美のマンションで、彼女の生の歌の盗み録りに成功したが、テープから流れてきた曲は、普段の彼女からは想像もつかないイタリアのオペラだった。その上、彼女は突然、自殺未遂をおこし、マネージャーは何者かに殺される。超人気歌手に隠された秘密とは?

今では「国民的アイドル」もいない…時代が違うとはいえ、完成度は高いと思う。(2000.6.4)

何回目かの読み。プロットも展開もところどころに見えるちょっとしたジョークもだいたいわかりきっているのに、それでもなかなかページをめくる手を止められなくなってしまうのは不思議。人間像がちょっと浅い気がしなくもないけれど、そこが適度にねばっこくなくていいところなのかもしれない。(2003.12.31)

今日、パパが死んだ。昨日かもしれないけど、私には分らない。そんなこと、どっちでもいい。何しろ私のパパは、仕事、仕事で、一年のうち半分は外国を飛び回っている。そんなパパを、いわば子供らしく愛せと言われたって無理な話だ。でも私は知っている。本当は、ママがパパを殺したんだっていうことを…。父の死に伴う莫大な財産争い。母の若き婚約者の出現。みにくい大人の世界を垣間見た十三歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影が…。

久しぶりに手にした赤川次郎の初期の作品。初めて読んだのはもう10年以上前になるが、それでも楽しめるのがすごい。(2000.5.16)

軽妙な語り口と非の打ちどころのないプロット。あっというまに読み終えた。難しいことも考えないで済むし、長風呂の友にはもってこい、かも。(2003.9.30)