【loss of appetite,loss of interest,loss of...】

仕事を休む。
目が醒めたのは夜、20:00。驚いたが、実はそれほどでもなかった。発信履歴を見ると、欠勤の連絡だけは入れたらしい。それだけでもまだましだ。
感覚が鬱寄りに傾くと、わたしは異常に眠ってしまったりする。もちろん、ここ数日、あるいは数週間の疲労がピークに達していたからかもしれない。でも、それだけではない気がしている。何もかもから逃げ出したいという密かな願望は、数時間だけこうして叶えられるのだ。
逃げ。そう、わたしは逃げている。あらゆるものから。痛いほど理解はしている、けれど。

生きながら火に焼かれて

生きながら火に焼かれて

シスヨルダンのある村。女性たちは「奴隷のように」不正に酷い仕打ちを受けて育つが、それは彼女たちにとって当然のことであった。たとえ、婚前交渉のために、生きながら火に焼かれたとしても。それは「名誉の殺人」なのだから。
ある組織によって、重度の熱傷から救い出された少女スアド。彼女は結婚前に恋をし、妊娠してしまったという理由で、家族から「不名誉」とされ、生きたままガソリンをかけられ火をつけられた。彼女の語る壮絶な出来事たちは、日本あるいはそれなりに男女平等な国に住むわたしたちには、とうてい想像も及ばないことだ。しかし、世界にはこんな地域もあるのだということは忘れてはいけないことだと思う。積極的に何が出来るかを考えることは難しいけれど。

死国 (角川文庫)

死国 (角川文庫)

20年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの莎代里が18年前に事故死していたことを知った。その上、莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の”逆打ち”を行っていたのを知り、愕然とする。四国88ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦るというのだ―。そんな中、初恋の人。文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。

ブックオフの文庫50冊福袋に入っていたもの。ビデオが出ているのは知っていて、読みたいと思っていた作品。前半、怖いところは殆どなし。ストーリーも殆ど進まず、どこがホラーなのか不思議になる。後半、一気に恐怖爆発。前半の伏線、「ああ、なるほど」と納得する。あまりにも残酷なラスト。ただ、なんとなく、莎代里の文也に寄せていた想いが薄い感じがする。一緒に死の国に行きたいと思うほどの情念が感じられない気がする。(2001.10.8)

3年ぶり。おそらく映像化したらすごく綺麗になるだろう、と想像する。(ビデオはまだ観ていない。)3年前に読んだときより、比奈子寄りの感覚で読んでいる気がした。文也との恋愛のどきどき感、しかしそれは少年少女のそれではなく…というのがよくわかったから。(2004.12.12)