【当直初め】
2005年初の当直。といっても、朝から夜までだから日直、というべきかしら。そして例によって病棟は平和すぎるほど平和で、1日中音楽を聴きながら眠り続けていた。
最初のうちは、「こんなに楽をして、お給料をもらったりしていいのかしら」なんて思ったりもしたものだけれど、最近ではあまりそうも思わなくなってきた。ひとつは、この仕事では「医師免許を持った人間がその場にいること」が重要なのだ、と気がついたから。そしてもうひとつは、コールがあったときには本当に「いざというとき」であるのだ、ということにも気がついたから。その日はじめて会ったばかりの患者さんに死亡宣告をし、ご家族に話をする、というのはかなりのストレスだから。
そんなわけで、「お仕事」と思えばたいていのことは気にならなくなる、ということを再確認。今日わたしが当直室で眠っていたことは決して無駄なことではないのだ、と自分に言い訳も兼ねて。
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大学では明日から仕事始め。久しぶりの出勤、かなり緊張する。
でも、ここしばらく何もしないで何も考えないでいることが出来たことで、かなり充電は出来ているはずだ。相変わらず食欲はないけれど、少なくとも睡眠に関してはかなり改善されているし、常に満タンでいる必要もないだろう。
とりあえず4日間のウイークデイを乗り切れれば、きっとなんとかなる、と希望的観測。
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夢を見た。
ピアスの穴を自分で開けていた。両耳に1ヶ所ずつ。
不思議と、痛くない。開けた穴からは、血ではなく脂肪の塊が飛び出してきた。白くて小さい脂肪。
とりあえずそこにあったピアスは、左が青くて円形で、金の縁取りがしてある。右は赤くて左より少し小さい円形で、そのかわりに膨らみが大きい。はめてみる。
ピアスは開けるのが怖くて、開けないでいるのだけれど、何故か不思議と、怖くなかった。
ある人からオークションで譲り受けたピアス14個セットが届く。緑色の透明な四角い石が揺れるデザインのピアスをつけてみる。なかなかいい感じ。
その人が近々結婚することを、商品についていた手紙で知る。何故か結婚式に参加することに。
セットに入っていたピンク色のピアスをつけて、結婚式へ出席する。幸せそうなふたり。歌をうたう彼女の後輩。ピアノを弾く同僚。式は盛り上がり、彼女たちの幸せもさらに倍増。
ピアスの針はいつしか必要以上に長くなり、私の後頭部に突き刺さっていた。
痛みで目が覚めた。
何もなかったのに、何故だかちくちくした痛みが残る。
ピアス穴を開けるのは正直言って怖い。けれど、興味があるのも確か。
いつか、大人になったら。自分の恐怖を自分で律することが出来るようになったら。そのときは、ピアスの穴を開けたいと思う。
(刻印)
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- 作者: 新井素子
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「週に1度のお食事を」:吸血鬼もの。吸血鬼も悪くないと思わせつつ、ラストのどんでん返し。それにしても、「デパートで2割引」っていうのが、なんだかいいなぁ。
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