【美しい言葉はもう紡げない】

あなたは本当にわたしのことが好きなの?
そんな問いを、わたしはきっと一生続けるのだろう。うつろいやすい不安定な人間関係、慢性的な虚無感。いわゆる境界性人格障害の診断基準には完全にはあてはまらなくとも、そういった「性格」はしばらくはわたしについてまわるだろう。
すべてを叩き壊したくなる衝動をおさえながら、吐き気と倦怠感と頭痛をごまかしながら。
結局自分自身に自信なんて持てなくて、「仕事」に依存して生きているような気がする今日この頃。少なくとも白衣を着てさえいれば、わたしはその枠にかろうじておさまっていられる。
あなたは本当にわたしのことが好きなの?
すれ違うひとたちひとりひとりにその問いをぶつけながら、わたしはひとごみの中を歩き続ける。